建物南東より
この住宅は甲府市の北西部に位置し、敷地面積は634平米と広く、新幹線道路より200mほど離れた交通量の少なめな静かな環境にあります。しかし、敷地の西側道路反対には高校の野球グラウンドもあり、砂埃等も予想される場所でした。
「雑木林のような庭があってゆっくりくつろげる家にしたい」「プライバシーは守りたい」「他にはないデザインの家にしたい」・・・
このようなお施主様の要望から、建物を敷地の東西に長く取り、中庭である広いデッキと植栽を囲む様にリビングの一部を45度に振り、水廻りを南東部に突き出して配置しました。また、敷地の西面は常緑のかしの木とコンクリート打放し塀、杉の分厚いムク板で作った塀で囲み、南側はヤマボウシ、モミジ等の雑木を植栽し、東面には木造杉板貼りの大きな車庫を設け四方を囲みました。これにより建物と塀、植栽で庭を囲むコートハウスのたたずまいとなり、外には閉じ、中からは開く緑多い落ち着いた空間をつくりました。
建物は、切妻の大屋根とし軒の出を深く(南面1.3mから1.8m 他1.2m) また外壁は南面デッキ廻りを杉板貼りとし、この家のシンボルツリーである大きなヤマボウシが映え、いい雰囲気を醸し出しています。
お施主様と共に材料、仕上がりを吟味し、多くの打合せを重ね、多くの職人の手に掛かり、皆がつくる喜びを感じながら完成した家です。