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なぜ涼しい?
- 2010年9月19日 09:47
朝、晩はだいぶ温度がさがり,過ごしやすくなってきました。
先日、M邸〔works 森林浴の家〕に数年ぶりで行ってきました。
スタッフのブログでも紹介しましたが、居間吹き抜け部分の照明器具のカバーが一つ割れてしまい 「和紙で障子風のカバーをデザインしてほしい。」
という依頼で、木工職人の親方と猛暑だった8月後半の日、現場の状況を見に行ったときのことでした。
西側玄関から家に入ったとたん親方が「えー、めちゃくちゃ涼しいですね。 エアコン効いているんですか?」 とびっくりしてこの家の奥様に聞いてい
ました。 「エアコンは今日つけていませんよ 出かけていて、今私も戻ったところですから」。 でも、居間もかなり涼しかったのです。
「塚越さんがつくった家はこんな暑い日でも、こんなに涼しいんですね。私の家はこの夏はサウナのようですよ。」 と褒められたのは良かったのだけれども、自分でもなぜこんなに涼しいのだろう?と思うほどでした。
七年前に設計したこの家は夏の日差しを遮るように、全体的に屋根の軒が深くはりめぐらしてあり、
外壁は中空のセメント成型板で、壁を二重にして空気が通るようにしてあります。
また、高性能の断熱材で建物をスッポリとつつんでいますが、七年の間 私の事務所では「夏涼しく、冬暖かい家。」をめざして徐々に断熱性能を
改良してきています。五年ほど前よりは夏の温まった空気を屋根裏で外に出す装置も作るようにしているのですが、この家を作った当時そこまでしていませんでした。
〔屋根裏の換気はつくっていますが。〕先日記載したRELAX HOUSEに比べると断熱性能は、少々劣っているのですが 〔Mさんにおこられそうですが、、、〕
同等の涼しさに感じられました。
この日は35度以上の猛暑日でした。午前中留守だったのですが居間の南、東面の窓は閉ざされておりカーテンで遮光してありました。
居間に続く北側の部屋の窓は開放されている状態で、日射を外側では深い軒で遮り、内側ではカーテンで遮っている状態だったのです。
涼しさの理由は、主に遮熱でした。もちろん断熱性能のおかげもあるのですが、ここまで外気温度が上昇し、激しい太陽の光に建物がさらされている
時は、いかに屋根や庇で直射を遮るかが重要なポイントになると思います。この家の南側前面は、庭は狭いのですが庭の前が桃畑になっており、
建物の周辺はかなりゆったりとしていて、道路のアスファルトやコンクリートなど蓄熱するものがないという事も、かなり影響していると思います。
また南面に2階のバルコニーが深くはりだしているのですが、バルコニーの壁、張り出した部分の天井が木製になっており断熱しながら遮熱の役割
もはたしているのです。
このように猛暑の夏を快適に過ごすためには色々なことが影響してきますが、あらためて勉強になる一日でした。
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