Home> Archives > 2010年10月アーカイブ

2010年10月アーカイブ

わかば保育園 現場日記

  • 2010年10月27日 16:55

昨日、定例の現場打合せに行ってきました。

現場では大工さんたちが屋根の下地板張る作業を行っていました。IMG_0404.jpg

IMG_0410.jpg

先日のブログの中で皆さんは、「大きな園舎が木造で構造的に大丈夫なのか?」と疑問があるのでは

と書いておきましたが、今回はその説明を少し、しようかと思います。

私どもの事務所で提案し、現在建築中のわかば保育園 園舎は一般的に住宅等で採用している

在来工法と呼ばれている木造とは少し違います。

大断面集成材工法と言って鉄筋コンクリート造や鉄骨造と同じように構造計算を行い安全性を確認しており、

現在では県外の多くの地域で、学校や庁舎、駅舎、美術館などにも採用されている工法です。

もちろん保育園や幼稚園も年々採用されるケースが増えてきているようです。

柱やはりの材料は強度のある集成木材で予め頑固に作った鉄筋コンクリート造の基礎に、金属プレート

をボルトで固定しておき、工場で精度良く加工された柱をそのプレートに差込み太い金属製のピンを打ち込み

柱を固定します。木材と木材の接合部も金属プレートと金属ピンで強固に固定されます。

木造と言うよりは、組み立て方は鉄骨造に近い工法です。

柱の太さも一番細い柱で12cm×12cmですが15cm×15cm,20cm×20cm 、一番太い柱では30cm×30cm

にもなります。この工法のメリットは大きな空間に対して柱の位置を調整することができることです。

今回は天井の高さ6.5mで16m×7.2mの遊戯室の空間を真ん中に柱を立てずに実現できました。

もちろん、もっと大きな体育館のような空間も、真ん中に柱なしで作ることが可能です。

戸建ての住宅をはぶいて、現在木造で建てられている建物は、多くはありません。

「住宅以外の大きな建物で木造建築を建てるのは難しいのでは?」と思う方が多いのではと思います。

実際に建物を建てるためには、安全確保のために建築基準法という法律や、保育園の場合は設置基準

が定められています。これらの複雑な条件には当初私も、少し尻込みしてしまったのも事実です。

今まで木造の園舎が少なかったのも、この辺の実情もあったのではと思います。

しかし現在では、今回採用したこの大断面集成材工法という構造的にも安心できる木造工法もあり、

さまざまな規制も、設計上の工夫でクリアできると思います。

コスト面でも他の木造以外の工法よりも低く抑えることができました。

温もり、温かみがあり、そして何よりも安心できる構造の木造園舎は今後必ず増えてくるだろうと

私は思います。

 DSCF0584.jpg

DSCF0588.jpg

 

 

 

 

 

 

お宝の使い道

  • 2010年10月23日 17:22

 民家再生の現場も解体工事、サポート、基礎、屋根工事と着々と進んでいるようですが、

なんといっても古い建物を直しているので、いろいろな事がいっぺんにできず

思うようには、はかどりません。

工事の進捗状況はスタッフのブログでお伝えしておりますが、私も毎日現場に朝一番と、午後

も行き様子を見ています。これまでに、いろいろと古いお宝がでてきて 「さて、どこへどのように

再利用できるか? 利用できるものはなるたけ使い、元の家の面影も残しておきたい、でも

あまりコストがかかっても困る。」 となかなかむずかしいです。

実際は結構楽しみながらやっていますが、、、、、、

DSCF0542.jpg

 この障子 建具職人さんに見てもらうと 「今ではとてもこんな仕事できませんよ、すごく手がこんでいます。」

とのこと、これは何とか修復してどこかに使わねばならぬなー

DSCF0568.jpg

 この収納たんすも、無垢材でできておりなかなか古い風合いがでています。

オブジェのようにも使えそうですし、実際に収納家具としてよみがえらそうと思います。

DSCF0573.jpg

この階段も無垢材でつくってあり、いい仕事がしてあります。

勾配がかなり急なので階段には使えず、さてどのようにして使うか?

ただいま検討中です お楽しみに。

 わが事務所は、ただ今古道具屋さん状態です。

またご無沙汰してしまいました。

  • 2010年10月20日 14:34

 またご無沙汰してしまいました。

古民家の改装等、急遽の仕事が多くなってしまい お伝えしたいことがいっぱいあったのに

なかなか記事を書くことができませんでした。

最近は、朝5時に起きてまず事務所で所員への指示のまとめ、現場での工程や発注の段取りしてから             

古民家の現場へ、午前中に1回事務所へ戻り設計途中の物件の整理をして、また午後1番と夕方現場へ

合間をぬって他物件の計画やスケッチ等々、、、、土日にはお客様との打合せも入り一日が「あっ と言う間」

に過ぎてしまいます。少々オーバーワークぎみですが、忙しいことは大変ありがたいことで ただただ感謝、感謝です。

 わかば保育園も先日、無事上棟式がすみ、週に1回の定例打合せ会議を経て順調に進んでいます。

現場ではすでに木の香りがただよっており「やっぱり木造はいいな。」と改めて思っています。

 木材に含まれている精油成分が香りの源になっており「木の香りは気持ちを静め、気分を爽快にさせる傾向がある。」

ともいわれています。

子供たちも知らず知らずのうちに精神の安定を受けれれば良いと思います。

一般の方は、大きな園舎が大地震がいつ来るのかわからない時代に木造で構造的に大丈夫なのか?

また、木材と言うと燃えやすいのでは?

等々、疑問が多々あるのでは と思われます。

親の立場からすると「安心して子供を預けたい。」 預かるほうも「安心して預かりたい。」

と思うのも当然のことですし、「火災や地震にも強い、木の香りただよう木造の園舎」が今回の

設計のテーマでもあります。詳しくは現場の進捗状況に応じて説明していきたいと思います。

IMGP1264.JPG

IMGP1296.JPG

民家再生プロジェクト

  • 2010年10月 5日 11:18

  100年以上経過した〔明治期の建築で築年数等詳細は不明〕民家の一部を再生することになりました。

「雨漏りがしている。柱も傾いている」と相談をいただき調査してみました。

約90坪ほどの大きな建物は、手作り和菓子の製造と販売のお店と住宅で、住宅部分が一番古く

100年以上、そこに数度の増築、改築がされ複雑な構造で不安定な建物であることがわかりました。

3方向より荷重がかかっている、通し柱の下部分がシロアリに食われ、なくなっているので柱が傾き

それが原因で雨漏りしている状態でした。

早急に対応しなければ非常に危険でもあり、大急ぎで構造補強の方法、予算、間取りと機能性等

いろいろと検討し、原因の基となっている一番古い住宅部分の大改造と、大部分の屋根は重い瓦を

軽い金属屋根に変更することになりました。

昨日より解体作業にかかり、スタッフブログでは現場の進捗状況を詳細にお伝えし、今回の仕事は

工事を進めながら考えていくところも、多分にありそうなので、その辺のところをお伝えできればと思います。

 さながらテレビの「ビフォーアフター」のような仕事 楽しいです。

IMG_0369.jpg

DSCF0512.jpg

Index of all entries

Home> Archives > 2010年10月アーカイブ

カテゴリ
アーカイブ
購読
Powerd By

Return to page top