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わかば保育園 現場日記
- 2010年10月27日 16:55
昨日、定例の現場打合せに行ってきました。
現場では大工さんたちが屋根の下地板張る作業を行っていました。
先日のブログの中で皆さんは、「大きな園舎が木造で構造的に大丈夫なのか?」と疑問があるのでは
と書いておきましたが、今回はその説明を少し、しようかと思います。
私どもの事務所で提案し、現在建築中のわかば保育園 園舎は一般的に住宅等で採用している
在来工法と呼ばれている木造とは少し違います。
大断面集成材工法と言って鉄筋コンクリート造や鉄骨造と同じように構造計算を行い安全性を確認しており、
現在では県外の多くの地域で、学校や庁舎、駅舎、美術館などにも採用されている工法です。
もちろん保育園や幼稚園も年々採用されるケースが増えてきているようです。
柱やはりの材料は強度のある集成木材で予め頑固に作った鉄筋コンクリート造の基礎に、金属プレート
をボルトで固定しておき、工場で精度良く加工された柱をそのプレートに差込み太い金属製のピンを打ち込み
柱を固定します。木材と木材の接合部も金属プレートと金属ピンで強固に固定されます。
木造と言うよりは、組み立て方は鉄骨造に近い工法です。
柱の太さも一番細い柱で12cm×12cmですが15cm×15cm,20cm×20cm 、一番太い柱では30cm×30cm
にもなります。この工法のメリットは大きな空間に対して柱の位置を調整することができることです。
今回は天井の高さ6.5mで16m×7.2mの遊戯室の空間を真ん中に柱を立てずに実現できました。
もちろん、もっと大きな体育館のような空間も、真ん中に柱なしで作ることが可能です。
戸建ての住宅をはぶいて、現在木造で建てられている建物は、多くはありません。
「住宅以外の大きな建物で木造建築を建てるのは難しいのでは?」と思う方が多いのではと思います。
実際に建物を建てるためには、安全確保のために建築基準法という法律や、保育園の場合は設置基準
が定められています。これらの複雑な条件には当初私も、少し尻込みしてしまったのも事実です。
今まで木造の園舎が少なかったのも、この辺の実情もあったのではと思います。
しかし現在では、今回採用したこの大断面集成材工法という構造的にも安心できる木造工法もあり、
さまざまな規制も、設計上の工夫でクリアできると思います。
コスト面でも他の木造以外の工法よりも低く抑えることができました。
温もり、温かみがあり、そして何よりも安心できる構造の木造園舎は今後必ず増えてくるだろうと
私は思います。
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